主食を控える食事で健康になれるってホント?
炭水化物ダイエットについて考える
常にいろいろな方法が登場しては消えていくというのがダイエット関連の情報ですが、比較的息が長く今も多くの人に挑戦されているものの一つに「炭水化物(抜き)ダイエット」があります。
炭水化物ダイエットとは簡単に言えば毎日の食事の中から主食となるような食べ物を完全に抜いたり極端に少なくするという方法です。
私達が普段主食として食べているものとしては「ご飯(白米)」「パン」「うどん」「そば」といったものが代表的ですが、これらはいずれも糖質が多く含まれているというところに特徴があります。
炭水化物ダイエットと少し近い方法として「糖質制限ダイエット」というものもあり、そちらの方法では糖質が高い食品の摂取量をおさえるため結果的に主食とする食品群の摂取量を制限することになります。
なぜ炭水化物ダイエットが効果的とされるかというと、それは糖質制限ダイエットでうたわれていることそのままに、食べることで血液内の血糖値を大幅に上げるという働きを持つためその摂取自体をおさえることにより血糖値の上昇をさせないということを狙っているためです。
人の体内の血糖値は上昇したあとにしばらくしたタイミングで下降をするためそのときに空腹感を感じるようになります。
つまり血糖値を上げない食事の方法をすることにより、空腹感を感じにくくして結果的に食べる量を減らすことができるというわけです。
また炭水化物はどれもカロリー量が高めのものが多く、体内のエネルギーのもとになるためその摂取をおさえることで体内の脂肪を消費しやすくするということも狙っています。
一見正しい方法のように思えるのですが、実は炭水化物ダイエットにも大きな落とし穴があります。
白米は本当に悪なのか
ここ最近のダイエットについての文章を読むと、決まって書かれているのは「白米は最悪」ということです。
ものによってはまるで白米は毒にも等しいもので良い効果など一つもないとでも言わんばかりのひどい言われようをされていることもよくあります。
それほど悪いのならばいっそ全く食べないように規制でもかければよいようにも思うのですが、実際のところ世の中の飲食店を見れば「おいしいごはんのお店」や「おにぎり専門店」のように白米をメインにしたところも多く出現しているのが現状です。
なぜここまで白米が嫌われるのかというと、それはやはりカロリーと糖質の高さにあります。
同じお米でも玄米や五穀米に比べると白米は栄養価が低く、カロリー量だけが高くなってしまうため食べても太るだけで意味が無いというふうに断言されてしまうこともしばしばです。
ですが白米は本当に悪いものなのかというと決してそうではありません。
その理由は単純に「おいしいから」です。
白米は本来ならば少ない分量でも十分なエネルギーが得られ、脳の働きを活発にする糖分を多く含む効率的な栄養食です。
また腹持ちがよくお腹が減りにくいという大きな強みも持っています。
実際のところ、健康面だけを考えて五穀米や玄米に食事を変えてみたけど、あまりにもおいしくないので次第に白米食に戻ったなんていいう話もよく聞かれています。
確かに食べ過ぎることで体重増加につながるという可能性はありますが、それは適切な分量でないというだけであり白米そのものが毒や害を持つものであるという考えは大きな誤りであるといえます。
また白米の場合はパンと違って食べられるようにするために使用するのは水だけなので、塩分や添加物が入らず自然のままの素材を食べることができるという強みもあります。
炭水化物を全く取らなかったらどうなるか
では全く炭水化物をとらないという生活をしたらどうなるかということも考えてみましょう。
結論から言うと、炭水化物を全く食べない生活をしたからといってそれでただちに病気になったりするということはありません。
世界には炭水化物が十分にとれないため肉や野菜類のみの食生活をしている人もたくさんいます。
ですのでエネルギー量をおさえて痩せる炭水化物ダイエットは健康面に特に問題のない手軽なダイエット方法としてはおすすめができる方法と言えます。
ただ一点気になるのが、過去に炭水化物ダイエットを成功させたという有名人や芸能人のほとんど全てが数年後に元以上の体重体型になっているということです。
一時的に痩せるという意味では炭水化物ダイエットは有効なのかもしれませんが、おいしい白米をずっとがまんし続けてしまうと、目標達成をしてたあとに大きな反動が出てしまうかもしれないという点はしっかり理解しておいた方がよいかもしれません。